講演会:子どもの「やりたい」をカタチにする学びの場づくり
日 時 | 2023年11月6日(月) |
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場 所 | 札幌パークホテル |
参加者 | - |
札幌ユネスコ協会は、今年8月、設立75周年を迎え、11月6日(月)にカコタムの高橋勇造代表による記念講演会、レセプションを開催しました。
ユネスコでは、「世界寺子屋運動」などを通じ、長年途上国への教育支援を行ってきました。
これからは、国内の子どもの貧困問題、それに伴う教育の格差に目を向け、活動していくこととなりました。
10年以上経済的困難をかかえる子どもたちへの教育支援を続けている高橋代表のお話を伺いました。
レセプションでは、お楽しみ抽選会も行いました。
自ら考え、行動を起こした高橋氏の思いとは
変化の激しい今の時代、単に知識・技能を習得するだけではなく、さまざまな問題に対して自分の頭で考え、判断し、表現することが求められています。特に「考える」ことは、判断や表現の根幹と言ってもいいと思います。
Kacotamは、「すべての子どもが学びの機会に出会い、自己実現に向けて挑戦できる社会」を目指す、そしてそのための環境を作ることに取り組んでいるとあります。子どもは次世代を担う大切な存在です。その子どもたちが、様々な理由で学ぶ機会を逸し、自分の将来を思い描くことが困難になっている現実があるということです。「人間は考える葦である」とはパスカルの言葉です。自然界の中で葦のように弱い人間は、考えることで弱さを克服し、進化を遂げてきました。考える上で知識は重要な要素となります。知識習得は、本来は学校で行われます。しかし、必ずしもすべての子どもたちが学校の学習でうまく習得できるわけではないのです。家庭環境、経済的理由などさまざまな理由により、落ち着いて学習に取り組めないというケースがあります。習得の機会を失ってしまった子どもたちの絶望感はいかばかりでしょう。
そのような子どもたちの存在に気づき、行動を起こした方が高橋氏です。氏がこれまでに取り組んできたことは、最初は小さな一歩だったかもしれませんが、少しずつ足跡を残して、大きな道を作りつつあるのだと思います。学びの機会を増やすだけではなく、身に着けた知識を使って考え、さらに、自分の将来設計の行動につなげていくという方法で、子どもたちを導いています。何かにつけて偏りがちな現代社会に、本当に大切なことは何であるかを思い起こさせる一石を投じているような気がしました。最近の経済状況、世界情勢などからは、明るい未来はなかなか見えてこないのですが、少なくとも子どもたちの明るい笑顔が消えることがないよう社会全体で支えていかなければならないのだと痛切に思いました。
(井上 和美)
レセプション:今こそ戦争のない平和な世界の実現へ
~心の中に平和のとりでを~
日 時 | 2023年11月6日(月) |
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場 所 | 札幌パークホテル |
参加者 | - |
17:30より会場を円卓が並ぶ「エメラルド」に移し、レセプションを開催しました。
メゾ・ソプラノの駒ヶ嶺ゆかりさんとピアノ、今野くる美さんによる祝奏、(間宮芳生編曲、日本民謡集より)で幕を開けました。駒ケ嶺さんは、当会60周年記念事業の際にもご出演下さり、また今野さんは子どもさんが通われている学校がユネスコスクールだそうで、ご縁あるお二人でした。
大津道ユ会長はじめ、道内各地のユ協から多数のご参加をいただきました。また、北海道青少年科学文化財団、北海道シジシー、オイスカ、札幌市内及び近郊の国際ソロプチミストクラブや、札幌市内国際ゾンタクラブの方々や、関係学校の校長先生にもご参加いただき、104名の出席者は、和気藹々と交流を楽しみました。
一番の盛り上がりは、お楽しみ抽選会でした。多くの企業より協賛をいただいた豪華賞品が次々と渡され、最後は、「きょうど料理亭杉ノ目」の豪華おせち(5万円)です。番号が読み上げられ、当選者には羨望の眼差しが・・・。盛会のうちにお開きとなりました。今回多くの企業、団体、個人様より広告、協賛を頂戴し、感謝申し上げます。
75周年記念事業実行委員長 副会長 外岡 学
[ご挨拶]札幌ユネスコ協会75周年目を迎えて
異例の蒸し暑い夏のあと、山々を彩る秋は駆け足で通り過ぎ道内では今年も早、雪の舞う季節を迎えました。
猛威をふるったコロナもまだ予断を許しませんが、少しずつ沈静化にむかいつつある中、設立75周年記念事業にご出席いただき誠にありがとうございます。
私ども協会が昭和23年8月8日に設立されてから今年で満75年を迎えました。
あの太平洋戦争が終わった直後、焦土と化した日本各地で仙台を皮切りに民間ユネスコ運動が燎原の火の如く滂湃(ほうはい)として起こったのは偏に平和への熱い思いでありました。
世界平和を願い教育・科学・文化の様々な分野で活躍されてきた数多くの先達の皆様に深い敬意を表します。
今、ロシアとウクライナ、そして中東において二つの戦争が同時に進行しています。
戦争が日常化し多くの無辜(むこ)の市民の犠牲者の報道に接する度改めてユネスコの平和の理念の大切さを思い、いち早い終結を願うばかりです。
今後も75年の長さにわたりユネスコの活動に携わった先輩の残した足跡を辿りながら原点に立ち帰り、広く多数の理解と支援を頂けるような創意工夫による数々の提案を着実に実現してまいります。
平和を愛する皆様と一緒に次なる設立80周年に向けて疾駆しましょう。
札幌ユネスコ協会 会長 横山 清

※Kacotam(カコタム)についてはこちらをご参照ください。